機能性ディスペプシア(FD)|杉本憲治クリニック|吹田市の胃腸内科・内視鏡内科

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機能性ディスペプシア(FD)

機能性ディスペプシア(FD)|杉本憲治クリニック|吹田市の胃腸内科・内視鏡内科

FDとはどんな病気?

みぞおちの痛みや灼熱感、食後の胃もたれ、早期満腹感を自覚しているにも関わらず、内視鏡検査、腹部超音波検査、CT撮影、血液検査を行っても、症状の原因となる異常所見を認めないで病気です。FDは命には影響ありませんが、辛い症状のため患者様の生活の質は著しく落ちています。

FDの診断は?

内視鏡検査、腹部超音波検査、CT撮影、血液検査などを行い、がんやその他の異常所見を認めないことが求められます。すなわちFDは除外診断になります。しかしながら、盲点として早期慢性膵炎、好酸球性胃腸炎、ポルフィリン症が紛れ込んでいることがあるため、FDに精通した専門医の診察が望まれます。

FDはどこまでわかっているの?

症状の原因がわからないのがFDではありますが、近年は症状の出現に十二指腸の関与が注目されています。十二指腸への胃酸や高脂肪食の負荷、感染症(胃腸炎)、ピロリ菌感染が関与して、微細な炎症などを起こすことによって、最終的な症状の発現に関わる、胃運動障害や内臓知覚過敏を生じているのではないかと考えられるようになっています。

FDの治療は?

まず生活習慣や食生活の聴取と改善点を提案させていただきます。

胃酸に対する知覚過敏であれば、酸分泌抑制薬が効果的です。酸分泌抑制薬の中にはP-CABPPIH2ブロッカーなど複数ありますので、患者様にあった薬剤を選択します。

胃運動障害に起因する症状であれば、日本で創薬されたアコファイド®があります。山下はアコファイド®に精通しており、英語論文執筆や国際学会で発表をしています(注1,2,3)

 

心因的ストレスも原因になっていることがありますので、標準治療に反応が乏しい時は安定剤や抗うつ剤を使用することもあります。

 

しかしながら、冒頭にも記載しましたように、FDは原因がわかっていないため、十分な治療効果が得られない患者様がいらっしゃるのも事実です。100%の効果が出なくても、症状の軽減が得られるように薬剤の調整を行います。

FD診療で患者様と気持ちのすれ違いを起こさないために

FDは患者様にとって大変辛い病気ですが、命にはかかわらないために、医療者側でその辛さが十分に理解されていないという論文があります(Dalton CB.Clin Gastroenterol Hepatol.2004)。患者様との気持ちのすれ違いや、完全な治療効果が得られないことから、FDはドクターショッピングが起きやすい疾患とも言えます。私たちのクリニックでは、患者様の症状に真摯に向き合い、共に歩む治療を心がけています。

 

1,Yamashita H et al. Novel prokinetics acotiamide reduces lower esophageal sphincter

reluxation in normal subjects. Digestion 2015:92: 90-98

2,Yamashita H et al. A pilot study on evaluating the efficacy of vonoprazan and acotiamide in patients with functional dyspepsia overlapping reflux symptoms. EC Gastroenterology and Digestive System 2018.

3,Yamashita H et al. Adding acotiamide to gastric acid inhibitors is effective for treating refractory symptoms in patients with non-erosive reflux disease. Dig Dis and Sci 2019