肝臓に脂肪（主に中性脂肪）が蓄積した状態をいいます。
お酒を多く飲まない方でも、過栄養や糖尿病などが原因で脂肪肝になる方がおられ、それを非アルコール性脂肪肝（NAFL）と言います。NAFLに炎症が加わったものを非アルコール性脂肪肝炎（NASH）と言います。日本では、成人男性の約30%が脂肪肝であると言われています。肥満者が増えてきており、今後も脂肪肝は増えていく可能性があります。

脂肪肝では症状はありませんが、脂肪肝のうち約20%が慢性肝炎になり、さらに5年間で20%の方で肝硬変や肝臓癌になることが明らかになっています。脂肪肝と言われましたら、放置せずに、定期的な採血と腹部超音波検査による経過観察が必要です。

肥満、糖尿病、脂質異常症が挙げられます。最近の研究では腸内細菌叢の乱れにより、脂質蓄積増加への代謝が起こり、その結果肥満やインスリン抵抗性などを介して脂肪肝になることがわかってきています。便通を良くしておなか環境を整えることが大事になります。

現時点では有効な薬物治療はありません。肥満が原因になりますので、適正な体重への減量が必要になります。糖質量を減らしたり、適度な有酸素運動（約20分ほどの少し早歩き）をしましょう。